うさぎ と くま の物語 (完)
 

「ほ、本当の理由……っ」


「え?」


「私が柔道部のマネージャーになった本当の理由は………篠田センパイ、なんです!」


私は篠田センパイの服を思わず掴んで、伝えようと必死になる。


「―――…」


「…あの日、練習見てて。篠田センパイの真剣な姿がすごく素敵で…篠田センパイのこと、好きになりました。知りたいな、って。近くにいたいな、って…思ったんです」


「もしかして、たまたまそこに梨乃が…?」


「…………う、はい…。不純な動機ですみません…。でも、この前言ったこともホントで…!?」


突然、篠田センパイがしゃがみこんだ。


「せせセンパイっ!?」


私も思わず、しゃがんでしまう。


篠田センパイと目線が合う。


ひゃっ…!

 
< 104 / 122 >

この作品をシェア

pagetop