うさぎ と くま の物語 (完)
「ほ、本当の理由……っ」
「え?」
「私が柔道部のマネージャーになった本当の理由は………篠田センパイ、なんです!」
私は篠田センパイの服を思わず掴んで、伝えようと必死になる。
「―――…」
「…あの日、練習見てて。篠田センパイの真剣な姿がすごく素敵で…篠田センパイのこと、好きになりました。知りたいな、って。近くにいたいな、って…思ったんです」
「もしかして、たまたまそこに梨乃が…?」
「…………う、はい…。不純な動機ですみません…。でも、この前言ったこともホントで…!?」
突然、篠田センパイがしゃがみこんだ。
「せせセンパイっ!?」
私も思わず、しゃがんでしまう。
篠田センパイと目線が合う。
ひゃっ…!