うさぎ と くま の物語 (完)
「………片岡」
「ははは、はいっ!?」
真正面から呼ばれた自分の名前に、慌てて答える。
いつもより近くで見るセンパイの顔は、すごくカッコよくて。
照れてしまう。
「………俺と付き合ってくれる?」
「――――!」
いつもより近くで聞こえる声。
いつもより近い言葉。
「…………私、でいいんですか…?」
篠田センパイが顔を緩めた。
「それはこっちのセリフ。…俺は、片岡がいい」
「私もっ!篠田センパイがいいです!」
拳をぎゅっと握って、篠田センパイに訴える。
好き。
好き!