うさぎ と くま の物語 (完)
「うさぎちゃん、何ボーッとしてるのー?」
この声は佐崎センパイだ!
「さ…」
佐崎センパイの名前を呼ぼうとした瞬間、キャーッという黄色い声が聞こえてきた。
私はビクッと声の方に目を向ける。
するとそこには、私に対する突き刺さるような視線が溢れていた…。
『離れなさいよ!』『あんただけズルい!』という目だ…。
ひ、ひぃっ!
怖い!
「さっ佐崎センパイっ!?ちょっと離れてくださいっ!」
頭の上に乗っている佐崎センパイの腕を退けようと、私は重量挙げをするように自分の腕を上に挙げる。