こんなかたちではじまる恋
「んっ…」



次の瞬間あたしの唇は塞がれていた。



「ちょっと…!!やめてよ」



綾野を押し返す。



「忘れるなら思い出させましょうか?」



そう言って綾野はあたしの体をテーブルに押し付けた。
そして、またあたしにキスをする。
じたばたしてみるけどあっさり綾野の力で押さえつけられる。



綾野はわざとチュッと音を立ててキスをする。
その音があたしの感覚をどんどん麻痺させていく。
そして唇の隙間を綾野の舌が押し開ける。
頑なに抵抗しようとするけど、綾野の舌は無理やりあたしに入ってくる。
息ができなくなる。
それでも綾野は尚も舌を絡める。




「はぁ…はぁっ」



ようやく唇を離してもらえると、あたしはまるで運動した後のように肩で息をした。



「覚えてないなら、今事実にすればいい」



そう言って綾野はあたしのボタンをひとつずつ開けていった。
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