こんなかたちではじまる恋
その元カレの瞳にあたしはぞっとした。



(早くここから逃げなきゃ…!!!!!)



そう思って駅へ向かおうとする。



だけどそれに気付くのが遅かった。
ものすごい力で元カレに腕を掴まれた。



「や…!!!!離して」

「言うこと聞けよ!」

「最低…!大声出すわよ?」

「出来るものならやってみれば?さやかくらい、今の会社から消すことは簡単なんだよ?」



脅しかもしれない。
だけど大手製薬会社の娘と結婚した元カレには、そういう権力があっても不思議ではない。



あたしなんて、普通の家庭に生まれて、普通の会社で働いているただのOLでしかない。
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