こんなかたちではじまる恋
こんな姿を見られるなんて、と思うと涙がこぼれてきた。



「バカだなって思ってるんでしょ?」



何も言わない綾野にあたしはそう言った。



「…思うわけないじゃん」



その声と同時にあたしは綾野に包まれていた。



「…帰ろう」



綾野はジャケットをあたしに羽織らせ、なるべく人目につかないように庇ってくれながら足早にガーデンホテルを後にした。
< 123 / 139 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop