こんなかたちではじまる恋
「…用意できたので、どうぞ」



そんなふうに思ってるところに綾野は戻ってきてそう言った。
本当は着替えだけ借りて帰ればいい。
だけどこんな顔見られたくない。
それに…もう少し綾野といたい。



バカなあたし。
都合のいいあたし。
女々しいあたし。



「じゃ…借りるね」



俯いたままバスルームへ走った。
< 128 / 139 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop