こんなかたちではじまる恋
グイッと綾野に起こされる。
また、綾野の力強さを感じる。



「…いたっ」



綾野はあたしの胸元に顔をうずめた。



「何するのよ!…もう帰る!」



あたしは綾野を押しのけて玄関へ向かおうとした。



「その格好で外に出るんですか?電車に乗れないでしょう」



綾野は冷静だ。
あたしは何も言い返せない。



「送りますよ」



そう言って綾野はベッドルームに消えた。
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