こんなかたちではじまる恋
「どうもありがとう」



とりあえずお風呂で気持ちを落ち着けてから出て、リビングで待つ綾野にそう声をかけた。



「あ、あたしそろそろお邪魔するね」



自分の荷物を取って部屋を後にしようとする。



「これ、後で洗濯して返すから!」



そう言って扉を開けようとした時だった。



「…髪、濡れたままで帰ったら風邪引きますよ」


綾野に手を掴まれた。
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