こんなかたちではじまる恋
こんなかたちではじまる恋
お互いの気持ちを打ち明けたところで、綾野は



「ちょっと散歩でもしますか!」



と言って玄関へ向かった。
あたしも後をついて行く。



外の空気がなんだか心地良く感じる。
それは当たり前のように綾野が隣にいるからなのか、それともずっとはっきりしなかった気持ちに区切りがついたからなのか。



左手に綾野の指が絡まる。



ずっと願ってた、『普通の恋人がすること』。



思わず顔がほころぶ。



「こういうの、したかったんだよね。普通の恋人がすること」



綾野が言う。



「…え!!!!あたしも思ってた」



綾野を見上げると、2人でぷっと吹き出してしまった。
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