こんなかたちではじまる恋
へとへとになって自分の部屋に入る。



「…はぁ」



綾野の匂いが染みたシャツを脱いで自分の服に着替えた。



「あ…服」



綾野の家の洗濯機で回っていた自分の服を思い出す。
なるべく会社以外で顔を合わせたくないけど、このシャツと服を返してもらうのにどこかで顔を合わせなければいけない。
そう思うと気分がどんよりする。



(そういえば…)



胸元をちらりと見る。
くっきりとキスマークがついていた。
綾野が忘れるな!と言っているみたいだ。



「もう…」



そう思ってキスマークをつけられた時のことを思い出した。
そうするとその部分が熱を帯びた。
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