こんなかたちではじまる恋
(それにしても付き合いませんか?ってなんなのよ)



さっきの綾野のセリフを思い出しながらベッドにぽすんと横たわる。


きっと綾野はあたしみたいな落ちこぼれをからかって反応を楽しんでるだけに違いないと思った。
だいたい綾野みたいなタイプがあたしを選ぶとは思えないし、会社でも女子のウケはいいから特定の誰かがいたっておかしくない。
それくらいあたしと綾野は正反対だった。



あたしは綾野みたいにエリートではない。
秘書なんて肩書きはついてるものの、就活で落とされまくったあたしを見るに見かねて、この会社の社長が秘書として雇ってくれた。
綾野は来るべくしてこの会社に来た人だけど、あたしは落ちこぼれそのものだった。
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