こんなかたちではじまる恋
彼氏だって…。
彼氏は製薬会社に勤めている。
有名な大学を出て、会長室で働いていた。
出会いは合コン。
エリートだらけでちょっと置いてきぼりな空気を感じていたあたしに声をかけてくれたのがきっかけ。
まだ24歳だったあたしにとって4つ上の彼氏は余裕のある"大人のオトコ"に見えた。
こんなあたしに屈託のない笑顔を向けてくれた。
ただ、その笑顔があたしだけのものではなかった。
気づいたのはごく最近だった。
たまたま、見かけてしまったんだ―――。
緩く巻かれた栗色の髪の毛。真っ白で透き通った肌。
当たり前のように彼の腕を組み、並んで歩く。
まるでドラマのワンシーンを切り取ったかのようだった。
あまりにもお似合いすぎて彼氏を責める気にはなれなかった。
わかっていても、『あの人は誰?』とは聞けなかった。
それで彼氏との関係が終わるのが嫌だったからだ。
あとで調べたら、その女性は彼の勤める製薬会社の社長の娘さんだった。
あたしに勝ち目はない
それでも彼氏があたしに向けてくれる笑顔を信じたくて…。
『さやか。電話でごめん。オレ、結婚するんだ。だから、キミとの関係は今日で終わりにしたい』
夕べ彼氏からそう伝えられた。
付き合ってると思っていたのはあたしだけかもしれない。
別れも、顔を見ることなく電話で告げられた。
そんな自分が滑稽で、情けなくて…。
だけどそれがあたしらしいと言うか…。
空しくて、悲しくて。
夢ならいいのに、目が覚めたら素敵な明日になってればいいのに。
そう思ってバーに入った。
彼氏は製薬会社に勤めている。
有名な大学を出て、会長室で働いていた。
出会いは合コン。
エリートだらけでちょっと置いてきぼりな空気を感じていたあたしに声をかけてくれたのがきっかけ。
まだ24歳だったあたしにとって4つ上の彼氏は余裕のある"大人のオトコ"に見えた。
こんなあたしに屈託のない笑顔を向けてくれた。
ただ、その笑顔があたしだけのものではなかった。
気づいたのはごく最近だった。
たまたま、見かけてしまったんだ―――。
緩く巻かれた栗色の髪の毛。真っ白で透き通った肌。
当たり前のように彼の腕を組み、並んで歩く。
まるでドラマのワンシーンを切り取ったかのようだった。
あまりにもお似合いすぎて彼氏を責める気にはなれなかった。
わかっていても、『あの人は誰?』とは聞けなかった。
それで彼氏との関係が終わるのが嫌だったからだ。
あとで調べたら、その女性は彼の勤める製薬会社の社長の娘さんだった。
あたしに勝ち目はない
それでも彼氏があたしに向けてくれる笑顔を信じたくて…。
『さやか。電話でごめん。オレ、結婚するんだ。だから、キミとの関係は今日で終わりにしたい』
夕べ彼氏からそう伝えられた。
付き合ってると思っていたのはあたしだけかもしれない。
別れも、顔を見ることなく電話で告げられた。
そんな自分が滑稽で、情けなくて…。
だけどそれがあたしらしいと言うか…。
空しくて、悲しくて。
夢ならいいのに、目が覚めたら素敵な明日になってればいいのに。
そう思ってバーに入った。