こんなかたちではじまる恋
旅行当日、会社に行くとスーツではなく見慣れない私服のみんなにちょっと新鮮さを感じた。



あれから綾野とはとくに関わることもなく、これまでと変わらず日々は過ぎていった。



何台かバスが会社の前にやって来て、あたしは営業部のみんなと同じバスに乗り込んだ。
途中の駅で下請けの会社の人たちを拾うと綾野から話があった。



しばらくして、下請け会社の人たちが待つ駅に到着して、それぞれ馴染みのある人たちがいるバスへと分かれていった。



あたしの乗るバスに下請け会社の女の子が3人乗り込んだ。



「隣いいですか?」


まだ初々しい女の子があたしに話しかけてきた。

「どうぞ」



とあたしは快く答えた。
後ろに40代くらいのおばさん社員さんが座った。
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