こんなかたちではじまる恋

「下田さん？大丈夫？」

「京子ちゃん、無理しちゃったのかねぇ」



あたしと後ろに座ったおばさんたちが声をかけるけど、下田さんは眠ってしまって起きなかった。


(これじゃ、部屋まで運ぶのは無理だよーっ)



とりあえず誰か男性社員に助けてもらおうと思ったものの、みんな酔っていて無事に下田さんを運んでくれそうな人が見当たらなかった。



「あ、ここはなんとかしますから、どうぞ宿に先に入っててください」



おばさんたちにあたしは言う。
悪いわねぇと言っておばさんたちは先に行った。

最悪ガイドさんか運転手さんに手伝ってもらえばいいやと思った。