こんなかたちではじまる恋
「ん~っ。酔っ払ってないよーお。」



と言いながら彼はこけそうになった。



「大丈夫ですか?」



とっさに彼を支えた。



「ん…すいません…てか秘書さんいい匂いするなぁ~」



彼があたしに更に密着してくる。


「すいません。やめてください」


あたしは彼を押し返す。


「っ…とと。いつもはぁ~うちの社員旅行はぁ~女子は参加しないからコンパニオンさん呼んでるんすよぉ~」



すごいお酒の香りがする。



「けど今年はお宅と合同でぇ~豪華で楽しいけどぉ~欲求不満なんすよねぇ」



そう言って彼はあたしに抱きついた。



「ちょっと!困ります」

「コンパニオンはこんなことしても嫌がんないっすよぉ~」

「あたし、コンパニオンさんじゃないんで」

「1ヶ月彼氏いないんだから、そろそろヤリたいんじゃないんすか?」



そう言って彼はあたしの浴衣に手を滑らせ、太ももを撫でようとする。



「ちょっ…やめて!」



逃げようとするけど彼は離してくれない。
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