こんなかたちではじまる恋
(なんなのよ…っ)



余裕たっぷりの綾野の態度がやけにひっかかる。
自分が酔っ払ってこんなことするようなオンナではないと思っていたからなおさら。
夕べのことを全く覚えてないのが情けない。
だけど、今綾野の家にいることは間違いないし、服どころか下着すらつけてないのも事実だ。



そして、振られたのも紛れもない事実…。



部屋をぐるりと見回す。
男の部屋にしてはきれいに片づいている。
それがまた綾野っぽくて、あたしの気持ちは複雑になる。




「…なにしてんだろ、あたし」



そう呟いた。
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