こんなかたちではじまる恋
玄関の扉を閉めると同時に綾野はあたしに口づけてきた。
あたしも夢中で応える。


静かな部屋はあたしと綾野の息づかいしか聴こえない。



器用にあたしのブラウスを脱がせながら、あの日みたいにあたしはテーブルに押さえつけられる。


バサバサッ



テーブルにのっていた雑誌が落ちる音が響く。



首筋から、ゆっくり綾野の唇が下りてくる。



「んっ…」



思わずあたしの声が出る。
自分がこんな声を出すなんて知らなかった。
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