こんなかたちではじまる恋
「もう、我慢できないかも」




綾野はそう言ってあたしを抱き上げるとベッドルームのドアを荒々しく開けた。



ふかふかの布団に投げ出されたあたしに綾野は



「俺の名前、呼べよ」



と乱暴に言った。



「ゆう…すけ」

「もっと…さやかの中からあいつを追い出せよ」

「ん…っ…悠輔っ」

「もっと…俺だけ見てろよ」



そう言うとベッドは激しく波打った。
今まで感じたことのない感覚があたしの体を駆け巡る。
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