こんなかたちではじまる恋
もう、『酔っ払ってて覚えてない』は通用しない。
綾野が今、あたしの背中越しに寝息をたてているのも、さっきの綾野の顔も、全部全部覚えてる。



でも自分が望んで今日はここに来た。
きっと綾野には調子いいオンナって思われたに違いない。
だけどそれも全部、あたしがもう少しそばにいてと言ったから。



一度も二度も変わらないじゃないかと思うあたしと、綾野にはこんなオンナだと思われたくないと思うあたしがいる。




綾野はあたしがこんな気持ちで横に寝ているなんて、知らないだろうな…。
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