こんなかたちではじまる恋
まるで綾野はあたしの体の隅々まで知っているようだった。
あたしの感じるところを突いてくる。
でも、この間とは違ってゆっくり、優しく。
それに合わせあたしも声が出る。



綾野の肌の匂い。息づかい。
それがあたしを余計に興奮させた。
そして、時々落とすキスがあたしを溶かした。







それから、あたしたちは会社では何事もなかったように仕事をし、お互いが欲しくなるたびに何度も何度も体を重ねた。


体の相性ってあるのだろうか。
体が綾野を求める。
自分が変態になったみたいだ。



綾野はセックス中は『好き』と言ってくる。
だけど最初のときみたいに『付き合おう』とは言わなかった。



あたしたちっていわゆるセフレというやつなのだろうか。
曖昧なまま、何度も何度もお互いを求めた。
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