こんなかたちではじまる恋
そんな気持ちのまま何日か過ぎた時だった。

あたしは友達とお茶をしてガールズトークに花を咲かせていた。
でも友達は既婚者だったので、夕方に解散してマンションに帰る途中のことだった。





(あ、綾野だ)





休日でいつもより人が多い街の中でも、いつの間にかあたしは綾野を簡単に見つけられるようになっていた。





(珍しいな…買い物かな?)





そんなことを考えながら人ごみをかきわけ、綾野に近づいていく。
偶然会うなんて。
声をかけたら綾野はきっと驚くだろうと、ちょっぴり胸がわくわくした。


ようやく綾野まであと少しのところで声をかけることをやめた。
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