こんなかたちではじまる恋

たまに、綾野から着信があった。
そのたびに胸が締め付けられた。
会社で、営業部の社員の携帯番号は表になっていてみんな知っていたから、綾野と連絡を取るときはいつも電話だった。
だからメールアドレスは教えてなかったし、綾野のも聞かなかった。
本当、笑える関係。




でも、かけ直すことはしなかった。





(もう、こういうの止めにしないと…)





いつしかそういう気持ちがあたしには芽生えていた。




次の休日に、あたしは携帯番号を変えた。