こんなかたちではじまる恋
会社にもすっかり慣れたある晩。
残業を終えて、帰る途中、若い男に絡まれてる貴女を見た。
酔っぱらってる貴女を見るのは初めてだった。



「月島さん!住所は?」

「家なんかなぁい」

「んなわけ…」

「なーいーのーっ!」

「帰りましょう?タクシー拾いますから」

「帰りたくない…そばにいて」



そう言って貴女はスーツの裾を引っ張った。



貴女が泣き出しそうな顔をする前に空が先に泣き出した。



「あーっ!!!!」



結局酔っぱらった貴女を家に連れて帰ることにした。
タクシーの中で、振られたと話す貴女。
どうやら相手はもう一人彼女がいて、そっちと結婚するらしい。
許せない気持ちが湧き出る。
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