神様に私の全部を奪われた。【番外編】
「はぁっ…もう、扇李ってば…髪の毛乱れちゃったじゃん…右汰や左汰に怒られちゃう」
髪の毛を直しながら、呟く彼女に私はつい笑みがこぼれる
「ふふ、相変わらず、仲が良さそうで羨ましいです」
「………え?」
「いいですね。なんか、本当に」
この二人をみると羨ましくて仕方がない。初めて出会った時も感じた
暖かくなる感覚に、彼女をみるとニコリと笑う
「そう、ですか、ね?」
「はい」
「ありがとうございます。でも、凜さんたちも仲がいいと思います」
「え?」
「だって、さっき…紫音さんは凜さんと仲直りがしたくて来たんですよね?しかも、大事な話しより凜さんを優先して」
「……あ……それは」
「ま、まぁ…表情が暗かったんで、扇李に助け船を出すように睨んじゃないましたけど…えっと、余計なお世話だったらごめんなさい」
「そんなことないです。助かりました」
「そ、そうですか?良かった」
「はい、あ…そうだ…立ち話はよくないですし、部屋に案内します」
「あ、はい。ありがとうございます」
そして、私は扇李様の花嫁を客間まで案内したのだった
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