神様に私の全部を奪われた。【番外編】
似た者同士
――――…
――…
「そうなんですか。じゃあ…凜さんは、結構都会の方に住んでたんですね」
「…はい」
数時後、私は沙優さんと客間で人間界にいた時のことを話していた
同じ人間同士だからなのか、なんだか昔からの友人のように話しにもりあがっていたのだ
「羨ましいです。都会って、田舎に住んでる人なら一回は憧れる所ですから」
「え?そうですか?人は沢山いますし、夜でも明るいだけですよ?」
そして、今はお互いの生まれた場所の話をしている
どうやら、沙優さんは田舎の孤児院で育ったらしい。小さな時に、両親をなくしずっと育ってきた
院長様と言う女性を自分の母親だと。なんか、少しだけ似てる境遇に色々な意味で嬉しくなった
「確かに、そうですよね…あ、でも、田舎は夜なんて虫の鳴き声しか聞こえませんよ。だから、外で物音がすると怖かったです」
「あ、そうですよね…」
沙優さんは紅茶を一口のみ、何かを思いだすようにクスリと笑う
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