神様に私の全部を奪われた。【番外編】
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その一方、別の部屋には仏頂面の男と無表情の男がいた
「それで、用事は私達の親衛隊を借りたいってことか」
「あぁ、我らの脚では限界がある。頼めないか」
「別に構わない。扇李は乱暴だから、怪我をさけないように」
そう呟き扇李に数枚の紙を渡すと受け取った扇李はそれを見たあと満足したように笑い紙を胸元にしまう
「助かった、紫音」
「………別に」
「別に?なんだ、さっき我が言ったこと、まだ気にしているのか?」
クスリと笑い、それに紫音は無表情のまま扇李を睨む
「わかった。そんな目でみるな。だが、沙優に目で言われたんだ。仕方がないだろう」
「相変わらず、花嫁に甘いのでは?」
「甘い?かなわぬだけだ」
「…………」
「お前も、花嫁には敵わないだろうに」
何が言いたいのか、肩を揺らしながら笑う扇李に紫音はジーとみつめる
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