神様に私の全部を奪われた。【番外編】





あ…紫音さん……


変わらず無表情のままの彼


実は、扇李様が迎えに来た時、紫音さんも来ていて姿をみたら…

頑張ろうって決めたのに、気持ちが揺らいでしまい…


視線を合わせることなく、二人を見送っていた




「………」


ただ、二人で黙って彼らの背中を見つめ続ける



あいにくの雨の音や雨の雰囲気は余計に私の胸をドキドキさせていて…息がつまりそう



でも……あんな風になりたい。大好きな紫音さんを…沙優さんみたいに信じたい



そして、謝りたい。あんな風に…紫音さんに言ってしまったこと



心が離れてるのは切ないよ。こんなに、近くに…隣りにいるんだもん


がんばるって決めたんだから…今、言わないと…



ドクン、ドクンと手が震え、寄り添う二人をみながら静かに息をのみ…


私は、ゆっくりと手を伸ばし……ギュウと―…


紫音さんの服の袖を握ると紫音さんは驚いたように私を見る








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