神様に私の全部を奪われた。【番外編】






「…え?……凜…」



「………あ」


だ、ダメ…逃げたらダメ…


怖いし、身体が震えるけれど…このままはダメなんだ。だから…


「…紫音、さん…」


「………」


腕に手をまわし、さりげなく寄り添うように彼にくっつくと、紫音さんは息をはく



「…どうした?…今さっきまで無視をしていたのに…今度は甘えてきて」


「………」


「もう…怒って…ない、のかい?」


寄り添う私を引き寄せることなく、言う言葉に私は迷わずにうなずく


「はい……怒って、ません…」


「…………」



「紫音さん…ごめんなさい」


「……え?」


「ごめんなさい。私は…怖かったんです」


「………」

「紫音さんが、話してくれないことが…怖かったんです。私なんてどうでもいいのかな…とか…紫音さんが離れていくような…そんな気がして」


「………」


「沙優さんと話して…わかったんです。そんなことで不安になるのは、私は紫音さんを信じてないんだって」


「…凜」


「本当に、紫音さんの言う通り…独りよがりの思いこみです。だから…ごめんなさい…紫音さん…酷いことを言って…」


「………」


「ごめんなさい」


ただ、素直に…怖いながらも伝えると紫音さんはそのまま深いため息をはく



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