神様に私の全部を奪われた。【番外編】
でも…もし、出来たらどんな子が生まれるんだろうな
沙優さんは、人間とは違うって言っていたんだよね…
そうだ、沙優さんもうすぐ生まれるみたいだったんだよね
生まれたのかな?今度、紫音さんに頼んで会いにいきたいな
前に相談にのってくれたお礼もいいたいし
二人に寄りかかられながら、私はそんなことを考えていると―…
ガチャ――…
「……?」
正面にあるドアが開き、そこには、普段緩く結んでいる髪の毛をしっかりと結ぶ紫音さんがいた
「あ…紫音さん?」
あれ…今日は、任務で屋敷に缶詰になると言っていたのに、どうしたんだろう?
頭にハテナを浮かべ、そう名前を呼ぶとトールさんとフウさんはあからさまに目を開き
私から距離をとり、紫音さんに向かって膝まつく
「……え」
は、はやい……
それだけ、危機を感じたのか紫音さんは無表情ながらも二人を睨み付け
すぐに視線を私にはむける
「凜、こっちに」
「………え」
おいでって、こと?
「は、はい」
立ち上がり、恐る恐る近付くとそのまま紫音さんは私の頬にふれ口を開く
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