神様に私の全部を奪われた。【番外編】





「凜、いきなりで悪いが私は少し出掛けてくる」


「…え?」



「少しトラブルがあった。距離も遠い。だから数日は帰らないが…大人しく待っていて欲しい」


「…………あ」


そんな…紫音さん…何処かに行ってしまうんだ…


「そう…なんですか」



寂しいな…だって、ここ最近はずっと一緒にいたから…いないなんて考えられない


あからさまに落ち込んでしまい、ギュウと紫音さんの服を握るとフッと鼻で笑われてしまう



「そんな顔をしないで欲しい。いきなりだと凜が寂しがると思い、少しの時間を見つけて会いに来たんだ」


「あ、そうなんですか?」


わざわざ、私のために?


「あぁ、帰って来て不機嫌だったら大変だからな」


そんな……


「しょうがないですよ…紫音さんは偉いんですし…寂しいけど我慢します」


頬にあった手に手をそえ、ニコリと笑う



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