神様に私の全部を奪われた。【番外編】
「お帰りなさいっ」
「……ただいま」
もう、私ってば、紫音さんの姿をみるとさっきまでトールさんのことを考えていたのに
嬉しくて、頭は紫音さんでいっぱいになってしまう
「本当に、今日は遅くなく早いですね」
「…あぁ。凜との約束は破らない」
「……あ」
頭を撫でられ、それに幸せを感じてしまう
嬉しい。いつも、紫音さんは帰ってくるのが遅いんだもの
今日はいつもより、2時間ほど早い
久しぶりに、ゆっくり出来るかもしれない。ベッドでの甘い時間も好きだけれど、私は紫音さんとくっついてソファーに座るのはもっと好き
だって、ずっと前のあの日を思いだすから…
「あー…えっと、取り敢えず…座りましょう?」
「…………」
紫音さんから離れ、ドキドキする胸を抑えながらカレに背中を向ける
「そうだ、喉乾いてませんか?もしそうなら、フウさんか…ツヴァイさ……きゃっ」
ギュウ―…
離れたはずの暖かい温もりが、再び私を背中から包むように抱きしめられる
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