神様に私の全部を奪われた。【番外編】



もう、笑って誤魔化すしかない

そんな思いで、笑うと紫音さんは私の手を掴み部屋を出て行こうとする



「…え?ちょっ…あの、ど、どこに」


「凜」

「へ?あ…は、はい」


「確かに、何処かのヤツよりは鼻はきかない」


「……へ?」


「だが、空界の王として…私の体に流れる鴉一族の血が…キミから風神の匂いを感じている」


「………」


「何があったかは知らない。聞くつもりはない」


「…紫音さん…」


「だから、せめてもう一回、湯に入るんだ」



う………紫音さん……


なんで、バレてしまうんだろう…


そんなことを言われたら素直に聞くしかないじゃん…



せっかく、二人でゆっくり出来ると喜んだのに、自業自得と言うべきなんだろう



< 28 / 138 >

この作品をシェア

pagetop