神様に私の全部を奪われた。【番外編】
久しぶりの再会なのに、そんなのさみしいよ…
「あの、海鈴さん…」
「…ん?」
彼の服を掴み、彼の瞳をみるとわざとらしい笑顔を私に向ける
「どうしたんだい?凜」
「あ…いえ…もう、帰るのかなって…せっかくですから、お茶でもしませんか?」
「…………」
「イヤ、ですか?」
「そんなことないよ」
「…なら」
「凜」
「…あ…はい」
ニコリと笑った笑顔を戻し、少しため息をはきながら海鈴さんは服を掴む私の手を握る
「駄目だよ。凜はもう…紫音の花嫁なんだ。花嫁として、他の界の男に媚を売るようなことはしてはいけない。他の神にしめしがつかない」
「………」
そう言い、そっと私の手を離し、また笑顔を向けてくる
「それに、今日は本当に顔を見に来ただけだから。これから、任務もあるからあまり長居は出来ないんだ」
「あ……そう、なんですか…」
「ごめんね、凜」
「………」
やっぱり、海鈴さん…なんかおかしい
なんだか、私と海鈴さんの間に見えない壁が出来たような
そんな感じがしてならない
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