神様に私の全部を奪われた。【番外編】





人間界だと、傘の花が咲いて楽しかったけれど



この世界では、見えないだろう…


そんな事を思い、暗闇から聞こえる雨の音に耳をすましていると―…





ガチャ――…


「……ん?」




部屋のドアが開き、その方向をみると少し肩や髪の毛が濡れた紫音さんがいた



「……あ」


帰ってきた……



「お……お帰り、なさい……」



私がそんなことを言うなんて思っていなかったのか、少し驚いたように私をみる



「なんだ、朝はご立腹だったのに、機嫌はなおってくれたのかい?」



「な、なおってません、怒ってますから」



帰って来てくれて、嬉しいけれど


お帰りなさいの言葉と機嫌は別の話しなんだからっ


一度は向けた視線を紫音さんからはなし再び外を眺める




「へぇ、そうか…」


「………」


そ、そうだよ!約束を破ったんだから、そう簡単には許してあげないんだから!



そう思うも…



「へぇ…」



彼はドアを閉め、紫音さんは髪の毛をほどき服を脱ぐとそのまま私に近寄る



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