神様に私の全部を奪われた。【番外編】





「…結構」


「……な」


結構って……なんか、今日の紫音さん…子供みたい


クールで冷ややかな顔をしてるくせに…なにそれ


「もう…我が儘言わないで下さい」


「…?!」


タオルを紫音さんにかけ、乱暴に背伸びをしながら髪の毛をふく



全く、なんで私が…



紫音さんは、大人なくせにたまに子供になるんだから。このギャップなんなんだろう



「あ、紫音さん…しゃがんで下さい…届かないですから」


「………」


「って、聞いてますか?」


「………」


「…………」


き、聞いてない………



「あの、今日は駄目って言ったの…そんなに気に入らないんですか?」


「…………」


「…………」



何も言わないけれど、彼が放つオーラは確実に私の言葉を肯定している



「あのですね…紫音さん。私は紫音さんみたいに体力ないんですから…それに、昨日もしたのに…そんなに…え…と…さ、さかる…って言うか…がっつかなくても…いい、と言うか…」



「…………」


「と、とにかく…駄目です!絶対に。たまには我慢してください」



私だって、言う時は言わなくちゃいけないんだから


タオルから手をはなし、身長の高い紫音さんを睨むように見上げると


彼はフッと肩を揺らし鼻で笑う




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