神様に私の全部を奪われた。【番外編】
初めてきく事実にドクンと胸が高鳴り、言葉を失うとトールさんは気まずそうに私の様子を伺う
「ま、マジか…そうか…知らなかった…のか…えっ…と」
「…………」
うそ…だよね。そんなの…
じゃあ、もう私がいた街はすっかり変わってしまったって言うの?
私の職場は?おばあちゃんのお墓は?
「……あ、あれ」
でも、待って。今の話からすると天界の一年が人間界の1日なら…辻褄があわない
だって、私のおばあちゃん、紫音さんのおばあ様が亡くなったのは数年前
そうなると、なんかおかしい
「……………」
そんな私の疑問を察したのかフウさんは表情を変えずにわたしをみる
「トール、説明が下手。凜様、実は人間である凜様と神である私達とでは時間の流れが違います」
「時間の、流れですか?」
「…はい」
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