神様に私の全部を奪われた。【番外編】
「お久しぶりですね。あの時、海鈴さんの屋敷で会ったきりですね」
「…は、はい」
「私、あ…えっと…凜さんですよね?」
「はい」
「良かった。わたし、凜さんと色々と話したいことがあったので、こっちに用事があるって言う扇李にお願いして、無理矢理連れてきてもらったんです」
「…そう…なんですか?」
「はい、ね?扇李」
彼女が不意に背後を振り向くと、少し遠くに赤い髪の毛を揺らしながら仏頂面で歩いてくる扇李様がいて
彼女の隣りにたつと、深い深いため息をはく
「沙優、走るなといつも「あー、わかってるってば。でも、仕方がないじゃん。凜さんの姿を見つけたらいてもたってもいられなかったんだもん」」
言葉をさえぎり扇李様を睨み付け、いたわるように腹部をさわる
以前より、少し大きくなったみたいだ
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