神様に私の全部を奪われた。【番外編】

「だからと言って走るな。言うことを聞かないなら、お前の言うことは聞かない」


「…な…っ…なにそれ、扇李は心配し過ぎなんだってば。そうですよね？凜さん」


「…え」


わ、私に振られても…



「えっと、その…」


「酷いって言って下さい！」


「…あ、はは」


なんて言うか、やはり、前も感じたけど仲がいいな…羨ましいくらい


言い合いをしているのに、なんだか愛情を感じる


そんな光景に苦笑いしながら、二人をみると不意に扇李様がゴホンと咳払いをして私をみる



「それより、そんな話しは置いておいて…紫音はどこだ」


「……え？」


「用事がある、案内してもらいたい」


あ、あぁ…そっか、扇李様は用事があって来たんだもんね


案内か…普段ならするんだけれど…紫音さんとは顔が合わせにくい…



「えっと…その、少しだけ、お待ち頂けますか？」


「…は？」



「屋敷の者を呼んできますので…」


「…屋敷の者？そんなものはいらぬ…我は花嫁に頼んでいる」


「………あ…ですが、その……」



会いたくないし…顔みたら、泣いちゃう気がするから…



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