神様に私の全部を奪われた。【番外編】



そんな、惨めな姿を見せなくなんかない


「…え…と」


「花嫁ではないのか?」

「…え?」

「王の花嫁としての義務を放棄すると言うのか?」


「……っ」


紫音さんと同じ、とても威圧感のある瞳で私を見つめてくる


「…あ…と」

「自覚がない。見たところ、その目から察するに喧嘩でもしたんだろう。それで落ち込み会いたくないから、花嫁としての義務を怠るなど、あってはならない。仮にも紫音の花嫁であろうに」


「……あ」


ズキッと、扇李様の正しい言葉が胸にささりビクッと肩が震えると



「扇李!」


黙って聞いていた彼女が扇李様を睨み付け腕を叩くと彼は、彼女をみる


「いっ、な、何をする」


「何をするじゃないよ!扇李の馬鹿っ…デリカシーがなさ過ぎ!」


「………」


「……あ」


「元気がないみたいだったから、敢えてそこには触れなかったのに…!」


「知るか…それに我は間違ったことは…」


「言いました!」


「……………」


頬を膨らませ、扇李様を睨むと彼女は申し訳なさそうに私に頭をさげる




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