神様に私の全部を奪われた。【番外編】
「あの、凜さん…ごめんなさい…扇李が失礼なことを言っちゃって…」
「……あ」
そんな…謝ることはないよ。だって、扇李様が言うことは正しい
しかも、やっぱり私が泣いてたのわかってたんだ…
でも……それが、正しいとわかっていても…紫音さんをみる勇気なんか持てなく
視線を落とせば、彼女は数秒黙りゆっくりと口を開く
「そ…そうだ…」
「……?」
「凜さん。あの…せっかく再会出来たんですし…意地悪なことを言う扇李なんかほっておいて…二人でお話しでもしませんか?」
「え…わたしとですか?」
「はい!あ、嫌なら…いいんですけど」
「そんな、嫌なんてこと…ありません」
「本当ですか?ありがとうございます」
「い…いえ」
いやなんてことはない
だって、きっとこれは私に助け船を出してくれてるんだ
なんて、優しいんだろう。ううん、どうしてこんなに他人の気持ちが分かるんだろう
彼女をみていると…なんだか、胸が温かくなる
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