神様に私の全部を奪われた。【番外編】





「…扇李…?」


「……あ」


突然、ドクンと背後から聞こえた声に胸がなり身体が固まると


彼女と扇李様はそのまま私の背後に視線をおくる



「あ、紫音…なんだ。ちょうどいいところに来た」


「あ、どうもこんにちは。紫音さん」


彼女はペコリと頭を下げる


な、なんで…紫音さんがここにいるの?


「どうも、沙優さん…それより、どうして二人がここに…」


無表情のまま私達に近づき扇李様にそう言うと扇李様は腕を組ながらため息をはく



「あぁ、夜会のことで話がある。いきなり来てはまずかったか?」


「いや、そんなことは、ない…分かった。だが、その前に少し待っていて欲しい」


「……?」


「凜、話がある。こっちに来て欲しい」


「……あ」


私に手を伸ばし、手を握れと促す紫音さん



話がある?また、私に酷いことを言うつもりなの?



そんなの…いやだ。これ以上、紫音さんと心が離れてしまうのは怖い…だから…


「いや…です…」


「…」


「話しは、したくないですし…それに、これから扇李様の花嫁様と…お茶を飲むので…」



震える声をおさえ、紫音さんをみることなく言うと、無表情だった顔が僅かに歪み差し出した手を伸ばし私の腕を掴む



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