冬の花
プロローグ

桜が咲く4月。
1人の少女が長く綺麗な桜並木の坂をゆっくり登っていた。

少女は咲いてる桜には目もくれず俯いて

ただ

ただ

長い坂を登る。


ふと風が吹いて服や髪がなびく
風で飛んできた桜の花弁を見て少女は顔を上げる


「あ。桜、咲いてたんだ。」

彼女は舞い落ちる桜の花弁を掴もうと、ただ手のひらを広げて待つ


「やっぱりだめか。」

苦笑しながらまたゆっくりと
でも、前を向いて歩き出した
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