冬の花
「はぁー。」
いつになっても美咲に勝てない私は
数時間ショップを連れ回され
美咲の気が済むまで付き合わされた
「冬花、さぁ準備しましょう。」
「う、うん。」
美咲は楽しそうに
私はちょっとびくびくしながら
七夕に着た浴衣を身に纏う
髪は美咲の要望でポニーテールにした
あっという間に18時になり外へ出る
下駄がカランッと鳴ったと同時に
美咲の携帯が鳴った
「もしもし、えっ。うん、分かったよ。」
美咲は不機嫌そうに携帯を閉じる
「ごめん冬花、家で花火見ようって
お父さんがうるさいから帰るね。
お祭り楽しんでね。」