冬の花
ピカピカ光る屋台に迷子になりそうな人の数
私は目の前に広がる風景に心がはずむ
「桜木くんっ。早く行こうっ。」
「ああっ。」
花火まであと一時間半
私は夢中で屋台を見て回った
焼きそば、たこ焼き、フランクフルト
どれもおいしそうだけれど
私は無駄遣いはしたくないので
ラムネ一本買って
屋台から外れた広場に出る
「あれ?桜木くん?」
屋台に夢中で桜木くんとはぐれてしまったらしい
私はしょんぼりしながら人気のないベンチに座る
もうすぐ花火が始まるのに私、何やってるんだろう
「はぁー。」
屋台へ桜木くんを探しに行こうと立った瞬間