冬の花
「見つけたっ。」
ぎゅっ
急に抱きしめられて戸惑う
そっと顔を見上げてみれば
走ってきたのか息の荒い桜木くんがいた
「桜木くん?」
「良かった。見つかって。」
そう言ってさらに私をぎゅっと抱きしめてくる
ドキンッドキンッと
五月蠅いぐらいに鼓動が全身に響く
私はただ立っていることしか出来なくて
桜木くんの優しさが痛くて苦しい
桜木くんはそっと体を離し
私をじっと見つめた
ドキンッ
私は目をそらそうとしたけれど
何故か体が動かない