冬の花
私は恥ずかしさのあまり
いつも以上に俯き歩く
そのせいか少し転びそうになる
「はいっ。」
自然に繋がれた右手
「あり、がとう/////。」
最初は緊張で強張っていた私の手も
だんだんと握り返せるぐらいにまでになった
二人とも一言も話さぬまま坂まで来る
静かな桜坂を歩いていると少し寂しくなった
美咲しか話せる人がいなかった日々
この手が感じてるぬくもりは本物なのだろうか・・・
昨日の夜、ずっと考えていた
「どうした?」
私を心配そうに見てくる
桜木くんの瞳は優しい
「なんでもない。」
少し安心して笑う