冬の花
「はじめまして、桜木 涼
(さくらぎ りょう)です。
みんな、よろしく!」
桜木くんが来た時以上の黄色い声が
廊下までキーンッと響く
私はまたくらっときて桜木くんに寄りかかる
「ふっ。ちょっと目を閉じてな。」
「う、ん。」
桜木くんは私の頭を支えながら
そっと髪をなでてくれる
その時、ちょうど涼さんが
席に座ろうとしたとこだとは知らなくて
さっき以上の悲鳴がクラスを包んだ
「おまえひどいっ。俺より先に・・・。」
「知るかっ。静かにしろっ。」
涼さんと桜木くんが言い合っている中
美咲が呆れて見ていたことは
眠った私は知らない