冬の花
「許さない。
なでなでしてくれないと許さない!」
私は美咲の頭をなでて
もう一度謝る
そうしたら満足したのか飛びっきりの笑顔で私から離れた
「帰ろうか。」
「うん。」
涼さんが私達を見て笑う
私は鞄を手に取り
立ち上がろうとしたけど
桜木くんが私に背を向けてしゃがみこんで
「力入らないだろ。
おんぶしてやるからおいで。」
そう言うからお言葉に甘えて
私は桜木くんにおんぶされながら家まで帰った
実のところ本当に力入らなかったんだけどね
桜木くんの背中は大きくて温かくて
優しい桜の香りがした