冬の花
私はゆっくりと桜木くんから降り
玄関の鍵を開けた
「じゃあね、冬花。」
「ばいばい。」
小さく手を振って美咲と涼さんを見送る
桜木くんは何故かさっきから動かない
不意に私の方を向いて頬に軽くキスをした
私はびっくりしてキスされた頬を手で包む
桜木くんは照れながらはにかんで
手を振る
「またね、冬花。」
あなたの背中が太陽の方へ消えていく
嫌っ
それがどうしても悲しくて
寂しくて
一人が怖くなる